2025/02/07 足利遠征レポート -2-
2025/02/11
Day1: 2月7日
展示内覧会
さて、やっと内覧会のお時間です。
ここまですでに字数が多すぎない? いつものことです。
内覧会の受付時間まで、スタッフの皆さんがいろいろ調整に追われていました。
今回もめちゃくちゃ人数がいる。そんなに? ってくらいいる。
市役所の職員さんも、観光協会の方も、どちらもいらっしゃるのだとは思うのですが、それにしても人数が多い。そんなに人をかけてくださって本当にありがとうございます。
皆様のご尽力に感謝します。本当に。
展示内容としては、時間が限られていたのでざっくりとしか把握していないのですが、前回展示『足利長尾の武と美』のリバイバルのような部分が多かったかなという印象です。
あくまで「山姥切国広を足利市が取得したことのお披露目展示」「本歌である本作長義との同時展示」というのがメインだと捉えればそういうものかなと。
ただ、今回、監修に入ってくださっている、國學院大學大学院文学研究科 兼任講師であられる井本 悠紀先生が新たに押形を取ってくださったとのことで、そちらの展示があるのが良かったです。
井本先生は日本美術刀剣保存協会にも長く所属されていた方(今もなのかは不明)のようです。寡聞にして今回の展示までお名前を存じ上げなかったのですが、信頼できる方に監修いただけたのは良いことだと思います。
本作長義(今回展示では「ながよし」読みで統一している様子)と、山姥切国広、両作の押形が作成されており、しかもそれを重ね合わせたパネルもありまして、すごく良かったです。
上面がアクリルパネル?で、山姥切国広の押形が刷られていて、下面のパネル(材質不明)に本作長義の押形が刷られており、透過レイヤーを重ねている感じです。頭が良い。最高。これすき。
しっかし、この手法で見たときに、本当に姿がそっくりです。すごい。
刀鍛冶の方が作刀されるとき、焼入れ(で水に入れて一気に冷却する)によって刀身に反りがつくわけですが、ある程度は計算ができても、狙った通りにというのはやはり難しいようです。
それを考えると、反りの深さまで、多少の違いはもちろんありますが、ほとんど似通った出来に持って行った刀工國廣の技量は素晴らしいものだなと思います。
満足の行く出来になるまで何度も打ち直したのでしょうか。反りも刃文も狙いはすれどその時その時で変わってしまうものですから、簡単にできるものではないはずです。
國廣ってすごい……。本当にすごい。
また、私は本作長義を拝見するのは今回が初めてだったのですが、差し込み研ぎって本当に見るの難しいですね。山姥切国広の刃文がただでさえ沸でぎらっぎらなのに加えて化粧研ぎで美しく輝いているのを見ると、いくら豪壮な長義の作といえど大人しく見えます。相対的に。
時間が無くてじっくり見られなかったのでまた今度、別の日にきちんと見たいと思いますが、刃文の整った連続性など、相伝備前の勢いはありつつ上品さが伺えるなぁという印象を受けました。
長義の刀は東博で幾度か見ていますが、南北朝の相伝備前という勇壮さは持ち合わせつつ、肌や刃文に備前らしい整った品の良さが見えるというのが長義かなーと思っています。
これが兼光になるとさすが長船嫡流だけあって絶賛されるあの肌の美しさが際立ちますかね。
最近あまり日本刀をきちんと見ていないのでうろ覚えの記憶で喋っています。鵜呑みにしてはいけない。
他の國廣(や関連する刀工)の作も並んでいましたが、これまでの足利での展示や、古河での堀川国広展などもあり、顔馴染みも多かったですね。
いつ見ても良いものなので楽しく拝見しましたが。
直刃好きなので直刃があったのも嬉しかったです。
小振りな薙刀が一振りありましたが、あれは初めて見たかな? 以前にも見てるか? あまり記憶が無いです。棟にも焼きが入っていて、刺突武器としても使えそうでした。
薙刀樋って本当にわけわかんないと思います。なぜ山の頂点に近い位置でカーブまであるのにあんなにぴったりと美しい溝を彫れるのか。謎。
あ、そういえば今回の展示、ライティング完璧な高さだったと思います。身長152cmの私が見やすかった。刃文が見やすいライティングで、肌もまぁ見える、という感じだったかと思います。ちょっとうろ覚え。
やや短いですが、キリが良いのでこの辺りで。次は日が暮れてからの観光です。